皆さん、いかがお過ごしですか。随分朝夕涼しくなりました。季節の変わり目、どうぞ風邪などひかれないようにお気をつけ下さい。それでは、コラムに行きます。今日は、語学スクールで最も重要な外国人講師の採用についてです。
本校のような独立系の小さな語学学校では、教える講師の質が学校の存続さえも決めてしまいます。それで講師の採用にはあらゆる点を考慮し、毎回、細心の注意を払い、最大のエネルギーを注入します。
そこで今回は、外国人講師を採用する際、どういう点を基準に採用するのか、生徒の皆さんも興味があると思いますので、そのことについて書いてみたいと思います。
まず一番大切なのは、人間性です。もちろん経験や専門知識も大切ですが、それらはこれから積むことも出来ますし、採用後、しっかりした研修を行い、身に付けて貰うことも出来ます。しかし、人間性はその人が元々持っているもので、これから研修で身に付けるものではありません。
では教師にとって大切な人間性とは具体的に何かというと、学んでいる生徒の気持ちや立場、或いは喜びや困難を共感を持って理解できる能力です。教師にとって教えることは、自分の持っている知識を伝えることですから、そんなに難しいことではありません。時にその教える知識を持たない教師がいますが、それは問題外です。
しかし真の優れた教師とは、知識を授けるだけでなく、生徒自らがもっと学びたくなる、そういう気持に生徒をさせる教師ではないでしょうか。そのためには、博学な知識でも美貌でも美声でもどんな魅力でもかまいませんが、教師は生徒にとって魅力的でなければなりません。
それではどんな魅力が大切なのかというと、ある程度時間が掛かる訓練を必要とする外国語学習においては、教師は人間的な魅力に溢れていることが大切です。それは他者を思いやる気持ちがあり、他者への労を厭わず、他者を楽しませることが同時に自分の喜びとなる、そういう性格の良さではないでしょうか。
常に自分が正しい、自分のやり方が正しいという、柔軟性を欠いた性格の語学講師は、よくありません。後々、必ず破綻をきたします。一人の生徒に最適だった方法が、他の生徒にも常に最適だとは限りません。
自らの教授法に自信を持つことは大切ですが、それは常に生徒からのチェックを受け、改善していかなければなりません。学ぶ生徒は進歩します。教える教師には生徒以上に進歩することが求められます。
一般的に英語のネイティブ講師を採用する場合、一人の採用に約50人余りの応募があり、書類専攻の後、約20人余りの方と面接を行います。もちろん破格の待遇で採用するのであれば、専門知識も豊かで人間的にも優れた講師を採用することは、それほど困難なことではありません。
しかし講師の給与は生徒の授業料で賄われている以上、経営者として、優れた講師には待遇面でも最大限の努力はしますが、破格の待遇は出来ません。
それならどうするか。私たちは「教育とは生徒に与えることである」との理念に基づき、「学ぶ生徒の立場に立った語学教育」を行っていることを説明し、「この考えに共感でき、そしてあなたが、教えることが同時にあなたの喜びであるような教師なら、ここには素晴らしい生徒達と、あなたが自らの創造力を充分に発揮することに理解がある経営者がいるので、あなたはこの学校で精神的に大きな満足を得られることを約束します。」と採用面接で言い、私たちもこの学校にふさわしい先生を採用したいし、あなたも自分に合った学校を選んでくださいと言って、相手からもこちらを選んでもらえるように話をします。
今日、日本には単にネイティブだという理由で、言語を教えている外国人講師が多過ぎます。それなら私たち日本人なら全員、外国人に日本語を教えることが出来ると言っているのと同じことです。
そんなことはありません。外国人に母国語を教えるには、教える言語とそれを学んでいる生徒の母国語の知識、そして自らも外国語を学んだ生徒としての経験も必要です。
あなたが人間的にも知識的にも豊かで素晴らしい先生に出会えたら、それはあなたの人生における大きな財産となります。素晴らしい教師との出会いが、学ぶ生徒の財産となるような、そういう教師を私達は常に捜し求めています。
来週は、「ネイティブ講師と日本人講師、どちらがいいのか?」について書きます。